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【交通事故:事例3】むち打ちの慰謝料っていくら?実体験をもとにリアルな相場を紹介

2021-02-16

交通事故にあった際、怪我や痛みも心配ですが、心配事のひとつとして【慰謝料】の相場も気になったりしないでしょうか?

自分も2020年に交通事故に遭い、怪我や痛みの事以外で一番多く気にしていたのはこの慰謝料の事でした。

偶然にも、1・2週間程度前後して自分の知人周りで“もらい事故”が3件立て続けに起こったので、そちらも参考にしつつ事故の経験をもとに解説していこうと思います。

難しい話が苦手なので、なるべく分かりやすいように心掛けて書いてあります!

この記事の内容

  • 事故にあった際何をすべきか
  • どんな病院に通うべきか
  • 弁護士に依頼すべきか
  • 慰謝料の任意保険基準や弁護士基準とは何か?

事故のケース

3件ともムチ打ちの症状で、大手保険会社とのやり取りで和解している案件になります。

ケース1

信号待ちをしている際に後方から追突される。速度は4、50キロかと思うが前方計3台を巻き込む玉突き事故。自分は一番後方の追突された車に乗車。

追突後、警察、救急車を呼び近くの総合病院でレントゲン撮影、診察を受けた結果、“全治2週間”の頸椎捻挫、腰椎捻挫とのこと。警察には人身事故として届け出。

ケース2

信号待ちをしようと速度を落とし停車しようとした際に後方から追突される。速度は2、30キロかと思うとのこと。

追突後、警察を呼び現場検証を済ませ、仕事の途中なのでそのまま仕事へと向かう。

後日、かかりつけの整形外科に行き“全治2週間”の頸椎捻挫と診断される。警察には人身事故として届け出。

ケース3

二車線の道路の左から右に車線変更をしてきた車に左後ろのバンパー付近を当てられる事故。

後日、自宅の近くの整形外科に行き頸椎捻挫で“全治2週間”と診断される。警察には物損事故として届け出。

3件の事故の過失割合について

まずは過失割合になりますが、ケース1、ケース2に関しては後方から追突をされているいわゆるオカマを掘られるというやつなので10対0でした。

しかし、ケース3に関しては双方走行中の事。

もちろん斜め後方から車線変更され、距離感を間違え当てられたので被害者としては10対0を主張します。しかし、相手の保険会社は執拗に9対1、9.5対0.5などと言って、引き下がらなかったそうです。

それからケース3では物損事故で届けが出されています。

物損事故では現場道路の状況や運転車両の状況など交通事故がどのようなものであったかを示す実況見分調書が作成されません。

埒が明かないのでケース3の被害者が物損事故から人身事故に切り替えると、これまで強固な態度を示していた保険会社は、10対0を認めたようです。

つまり、客観的証拠となる実況見分調書が作成されれば過失割合を争っても負けると判断したのかと思われます。

人身事故への切り替えは事故の届け出を行った警察署に連絡して行うのですが、事故後7日~10日目くらいまでなら簡単に行えます。

過失割合など納得いってない方は切り替えておいた方がいいと思います。

交通事故があって通報して訪れる警察官は、書類を作成するのが嫌なのか、軽傷であるほとんどの場合「とりあえず物損でやっといて、後から人身に切り替えられるから」とさりげなく物損を進めてきます。

物損事故のココに注意

  • 請求出来る賠償金が低くなる
  • 慰謝料は原則請求できない

事故による怪我や痛みがある場合、物損事故で届け出することに何のメリットもありませんので、人身事故で届け出を出しておいた方がいいです。

診断結果と病院選びのポイント

すべてのケースで診断された頸椎捻挫“全治2週間”というのはいわゆるムチ打ちという症状です。他人には見えないし分からない症状の為、保険会社からは最初、嘘つき扱いされる例の症状ですね。

ですが、被害によっては本当に痛いですし、現に自分は慰謝料をもらい和解した後、今でも実費で整形外科に通っています。

首の牽引とリハビリ、診察を行っています。

ムチ打ちは後々にも影響を及ぼす厄介な症状なので軽傷だと自分で判断せずきちんと病院に通うべきです。

通わない事には適切な慰謝料も受け取れません。通ううえで重要なのは事故による怪我に関しての経験値や医師の捉え方です。

他覚的所見を伴わないムチ打ちの場合、煙たがる医師も中にはいます。

その為にはまず病院選びという面も、とても重要になってくると思います。

それから整骨院・接骨院で治療を行うという選択をされる方もいますが、これらは治療にあたるのが“医師”ではありません。

診断書も作成できませんし、治療費・慰謝料の支払いに関して揉めやすくなります。

ですから、整形外科など施術者が医師のところで治療を受け、整骨院や接骨院は必要に応じて医師の指示をとりつけて保険会社に確認してから通う方がいいと思います。

ケース1

事故3日後、職場の近くを条件に検索しホームページを見て、こういう症状を診ていますという紹介の部分に“交通事故による怪我の治療”の項目がある病院を選択。

ケース2

事故10日後、自宅近くのもともとかかりつけの整形外科を選択。

 

ケース3

事故2日後、整形外科のいわゆる権威的な医師が開業した整形外科を選択。

ケース1~3で特に注意すべき点や病院選びで特筆すべき部分を解説していきます。

ケース1

  • ネットで検索する際、“交通事故による怪我の治療”と書かれている病院を選択することは、交通事故の通院者に関して知見があると推察できる。
  • 診断書の書き方通院の頻度など、経験値があるので適切な処置をしてもらえる。
  • 保険屋が来月で治療を打ち切ります、と言われた、と担当医師に告げた際、「痛みが残っているのに治療をやめない方がいい。そもそも保険屋が症状固定するかどうかを決めるわけではない」など適切な治療を行ってくれる。
 

ケース2

  • 事故後10日も経ってから病院に行っているという点。これは実はかなり危ない。30日間病院に行かない期間があると保険屋は治療が終了したと判断し、治療費を出さなくなる。
  • それを狙ってなのか、事故後、わざと連絡をしばらくしてこない保険会社もあるという。今回はそのパターン。かなりしつこく電話してようやく担当者と繋がって病院に通い始めた。
  • 保険屋の担当者とつながらない場合もとりあえずは自費で通っておく方がいい。ムチ打ちで適切な慰謝料をもらおうとすると、どうしても通院頻度が増えてくる。後に通院頻度と慰謝料について詳しく書くが、自宅近くの病院に通い始めた事で逆に近所の方の目が気になり通いづらくなったので、その辺も考慮すべき。

ケース3

  • こちらは通い始めた病院が通いづらい雰囲気だったパターン。権威ある医師だと言うが、ムチ打ちと言うと初めから詐欺の容疑者を見るような目で見ていたという。
  • 2週間分の痛み止めの薬を出され、2週間後、定期的に通院したいのですが? と申し出ると「その必要ないよ。君わかってるよね?」と怒られた。
  • その後、ネットで探し通う病院を変えたが、そちらは通いやすい雰囲気だったとのこと。このように医師がムチ打ちに対して疑義的な場合、痛みがあっても通いづらくなってしまう。

ケースごとの慰謝料額と治療打ち切りの手法

これはケース1~3にそれぞれあった保険会社の対応や治療打ち切りのために行った手法になります。

ムチ打ちの場合、自覚症状のみで他覚的所見がないという事が多いと思います。

他覚的所見がないとは、簡単に言えばレントゲンやMRI画像などについては異常が見られないというケースです。

それゆえに痛みを訴えても、なかなか信じてもらえられないのですが、ご自身の体なので、痛い場合はきちんと訴えるべきです。

ムチ打ちに関してはおおよそ3か月~6か月を目安に治療の打ち切りを打診されると言いますが、本当にその通りでした。

ケース1

通院日数約130日
通院期間8ヵ月
慰謝料額約77万円

A社の場合。

通院を始めて3ヵ月目に病状の確認の電話。

6ヵ月目に再度確認の電話。

痛みが残っているので、まだ通いたい旨を伝えると渋々承諾。8ヵ月目に今月まででウチとしては治療の打ち切りとさせていただきます、という事になりそこで治療を終了。

一度症状固定し、保険屋の支払いでの治療は終了した。その後、健康保険に切り替え治療を続行。

ケース2

通院日数約20日
通院期間3か月
慰謝料額約24万円

M社の場合。

毎月1ヵ月が経つ頃に電話してきて症状の確認。まだ痛みが残っていると告げると、「そうですか」としながらも明らかに信じていない。

しきりにMRIで画像を撮ってほしいと言ってくるので、撮ると今度はその画像を見て電話がかかってくるようになる。「弊社の顧問の医師に画像を診てもらってたら、これであればもう痛みはないでしょう」という話をされる。とは言っても痛みがあるので、と告げて通うが3ヵ月目にも「弊社の顧問の医師によると」で、もう完治してますよね、という話をされる。

3ヵ月目の電話でM社の担当から「ちなみに※後遺障害診断はされるつもりですか?」と聞かれ、するつもりがないと言うと「じゃあ後1ヵ月は通ってもいいです」というニュアンスで言われたという。頭にきたのともう保険屋と関わるのが煩わしくて痛みが残ったまま症状固定し示談を行ったという。

後遺症診断についてはまた次の機会にブログで取り上げようと思っています

ケース3 

通院日数 約110日
通院期間 7ヵ月
慰謝料額 69万円

M社の場合。

3ヵ月が経つ頃に一通の封書を送ってきた。

要約すると今示談をすれば通院日数等関係なく30万円で示談するというもの。

それには応じず放置していたが、その後は特に何もアクションなく6ヵ月目半ばに症状の確認の電話があったとのこと。

もうだいぶよくなっているというと、「そしたら今月まで通ってください」と言われ合計で7ヵ月で治療を終了。

弁護士は必要か否か?

ほとんどの保険会社が3ヵ月目と6ヵ月目に多少のアクションを起こすという事がわかります 。

もちろんなるべく保険会社の持ち出し部分を少なくするのが彼らの仕事なので、当然ではありますが被害者だから、となんでも言いなりになるわけではありません。

むしろ、彼らと話をするのは面倒だな、と思うことが多いです。

なので、弁護士に依頼した方が当然ラクではあります。

自賠責基準と弁護士基準

通院による慰謝料の金額にも自賠責基準、弁護士基準があります。

自賠責基準は日額4,300円(2020年3月31日以降の事故に関して)

「4300円×通院日数×2」もしくは「治療期間×4300円」自賠責基準と呼ばれる慰謝料の算定の仕方です。

この二つの計算の仕方で少ない方の金額を適用し慰謝料となります。

なので、3ヵ月間の治療期間90日間のうちに70日通院したからその分たくさん慰謝料がもらえるというわけではありません。

自賠責保険の慰謝料の上限は120万円ですが、この金額に達するまでは自賠責保険の基準を下回る事はありません、と、今回取り上げた3つのケースでの保険会社は書類を送ってきています。

ただし、この上限120万円は慰謝料だけでなく治療費や休業補償費、そういった部分も賄います。

実際にケース1に関して治療費は72万円かかっています。その後は任保険基準の算定の仕方になるので、自賠責基準を下回った金額になります。

ケース1がわかりやすいと思いますが、8ヵ月間通院してるので単純に240日×4,300円をしたら100万円を超える慰謝料となります。ですが現実には77万円でした。これに対し入通院慰謝料にも弁護士基準という物があります。

例えばムチ打ちの慰謝料ですと……

3ヵ月53万円
4ヵ月67万円
5ヵ月79万円
6ヵ月89万円
7ヵ月97万円
8ヵ月103万円

多くの法律事務所のサイトの数字で確認しても8ヵ月103万円となっています。

実際に保険会社から提示されたのは77万円。差額は26万円です。

それならと、複数の弁護士事務所に電話をかけて尋ねてみましたが、弁護士費用を鑑みると実際には10万円増額が見込めるかどうかという微妙なラインらしく、どこも引き受けたがりませんでした。

保険会社もそれを見越した金額を提示しているのだと思います。依頼をしても絶妙なラインというか。

もちろんこれは慰謝料のみの話ですし、例外もあります。

慰謝料の例外

例えばご自身が自家用車に乗っていて保険をかけている場合、保険会社によっては無料で弁護士をたててくれる弁護士特約が付与されている保険もあります。

その場合は、初めから弁護士をたてることをお勧めします。むしろ使わないと損だと思います。いずれにせよ、弁護士に依頼するなら治療を始める最初の段階から入ってもらうのが一番いいのかと思います。

ついつい忘れがち!共済などの他の保険に適用される可能性もある

本当に忘れがちというか、そもそもそういった保険に入っていた事さえ忘れてしまうという事はよくありますが、自分もそうでした。

ケース3の被害者の方が通院の都民共済で90日まで1日1,500円という保険がおりたと聞いて、自分も入っていた事をすっかり忘れていました。

ケース3の被害者の場合、通院90日×1,500円=135,000円、自分の場合は県民共済で通院1日600円だったので通院90日×600円=54,000円をいただくことができました。

何気に忘れがちだと思いますので、入っている方は適用かどうか確認するといいと思います。

今回はムチ打ちの事故について事例を集めて記事にしてみましたが、同じ全治2週間でもその後の金額は本当に色々でした。また、この話には続きがあるので次回はそちらも記事にしていきたいと思っています。

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  • この記事を書いた人

こてちゃ

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