「人生逃げ切りサロン」主宰のやまもとりゅうけん著の「ズルい努力」。
これは目からウロコの発想でした。
正直、著書を読むまでやまもとりゅうけん氏をどことなく胡散臭いとも思っていましたが、この思考法は応用すればかなり使えると思います。40代まで「頑張ってれば報われるはず」のスタイルを貫き通した私とは対極で真逆の思考法です。もっと早く出会いたかった努力の方法でした。行っている努力がいかに「結果」に結びつくか。一言で言うと最もコスパのいい努力を行うために何を行うべきか、そういった思考法を養うのに最適な一冊になっています。
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コスパのいい努力って?コスパのいい努力のための3つの準備
①今している努力がどんな結果に繋がるか考える
私自身思い当たる節がありますが、「仕事を一生懸命頑張っていれば現状を変えられる」と闇雲に努力をしてしまいがちでした。ですが、周りを見渡したときに今いる職場で限界値まで頑張ったところで月収100万円は9割以上の確率で無理です。なぜなら自分と同じ立場のフリーランスのライターは何人もいますが、今の職場において月収100万円プレイヤーは皆無だからです。なのにがむしゃらに頑張っていれば!!という思考法に陥ってしまいがちです。言われて見ればすごく当たり前の事なのですが、何を頑張るか、そして頑張った結果、何に結びつくかまずはそこをとにかく考えるべきという事です。
大阪大学と神戸大学どちらを目指すか決める際に、
「平均年収を見ると阪大も神大も平均年収は600万円弱。それなら神大の方がコスパがよい」
年収が変わらないなら、倍率の高い大阪大学より少しでも入りやすい神戸大学を選んだそうです。
お金を稼ぎたかったやまもとりゅうけん氏は、このような思考で大学を選んだといいます。
高卒 生涯年収 2億1千万円
大卒 生涯年収 2億7千万円
この事実だけを見ても大学に行くほうがコスパはいいですね。もともと服も買えないくらい貧乏だったというやまもとりゅうけん氏ならではの思考法です。
つまり、努力する方向と求めている結果が噛みあうか確認する事はとても大事だという事です。私で言えば月収100万円を達成したいなら今の職場で頑張って努力する事では一生達成できないと知ることが大事だというわけです。
矛盾していますが
《できるだけ力を使わない努力》=《自分の求める結果》
を追い求めるべきだと著書では説明されています。
②自分の適正を知るべき
著者のやまもとりゅうけん氏はネットワークビジネスを会社にまで持ち込んで行おうとした結果、社会人1年目にしてクビになりました。また、クビになった当時はネットワークビジネスでこさえた借金400万円も抱えている状態だったといいます。そこから年収3000万円、億超えとV字回復させるわけですが、当時の心境をこう語っています。
「自分探しをしている暇などなかった。自分のできることをとにかくやった」という事ですが、これがとても大切なステップだと振り返っています。自分の向いているものは何か?と天職を探そうとしているうちは前に進めない上に努力をしても成し遂げられない可能性が非常に高い。そうではなく自分の手札を整理するという事です。
やまもとりゅうけん氏の場合、
- プログラミングができる
- 文章が書ける
この2つだったといいます。できる事を整理して最初の取り掛かりとしてフリーランスのプログラマーとブログだったと語っています。このように何ができるか手札の整理を行ったらそれを行う。それを用いてどんな結果を手繰り寄せられるか目標を明確に持つという作業が大切だとの事です。
③「合理的に逃げる」時間をかければどうにかなるという固定観念を捨てる
結果の出ない事を延々と続けるのではなく、撤退ラインと目標ラインを設定します。本書でも書かれている「経済的不安が限りなくゼロに近づいた状態」=逃げ切りという定義ですが世間で言うところのFIRE(Financial Independence Retire Earlyの略)です。
「投資信託の年利が5%と仮定すると、年間600万円の利益を手取りで得るには1億5000万円必要です」
セミリタイアを達成しようと思ったら人によって設定金額は違いますが、膨大な原資が必要です。この目標を達成しようと考えれば「時間を安売りしない」というのはとても大切になってきます。なのでこのやり方では目標を達成できないとわかったらすぐに撤退し、また組み直す事が重要だという事です。これは身にしみる考え方でした。
今、私は40代にして転職活動をしていますが現状選べる仕事はまさに時間の安売りをしないと働けないという状況です。この状況に陥る前に今の仕事を撤退して、別の道を模索すべきでしたが後の祭りです。
そういう意味でも合理的に考え、ここまで働いて目標月収に達成できなければ撤退とラインをひいておくことができれば、その方が目標に合理的に動けるという事です。
一言で「努力」と言っても色々な考え方があるのだなと感じました。今現在、頑張っても頑張っても分厚い壁がぶち壊せない。そんな風に思い悩んでる人は一読してみることで少し変わった角度からの価値観が発見できるかも!という1冊だと思います。
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